4. 二項分布の正規近似

i) 試行回数 n 成功の確率 p の二項分布

二項分布を、同じ平均 μ = np と標準偏差  を持つ正規分布によって近似する。

²    二項分布: P{ x = k }    正規分布: P{ k - 0.5 < x < k + 0.5 }

²    二項分布: P{ x k }    正規分布: P{ x < k + 0.5 }

²    二項分布: P{ k x }    正規分布: P{ k - 0.5 < x }

 

ii) 標準化の公式 xz (「標準正規分布表」を使う時に用いる変換)

解く問題の確率変数が成功の回数 x の場合(上の0.5調整が必要)

           

解く問題の確率変数が標本割合(平均成功率) x / n の場合(0.5調整は不要)

           

 

iii) 正規近似を使う時の大まかな目安

右または左に歪んだ二項分布は、n が小さい時、正規曲線の当てはまりが悪い。

p 1/2 の時 np > 5

p > 1/2 の時 nq = n(1 - p) > 5


 

[1:練習問題 5-23]

コインを 8 回投げて次の事象が起きる確率を、正確な方法と正規近似によって解け。
(a) 6 回表が出る、(b) 少なくとも 6 回表が出る。


[]

「表」の出る回数 x は、p = 1/2, n = 8 の二項分布にしたがう。

この二項分布を、平均:μ = np = 8 (1/2) = 4、分散:σ2 = npq = 8 (1/2) (1/2) = 2(標準偏差:σ = 2 の正規分布によって近似する。

(a)     正確な値

正規近似値

                         

(b)     正確な値

正規近似値

           

 

[2:練習問題 5-29]

四択式の試験において、でたらめに答えて 20 問中少なくとも 8 問が正解になる確率を求めよ。

[]

でたらめ(無作為)に答えた結果が、正解なら「成功」、不正解なら「失敗」とする。

各問における回答の結果は、成功の確率 p = 1/4 のベルヌーイ(Bernoulli)試行となる。

また異なる問の結果が統計的に独立なら、20 問中の正解数 x p = 1/4, n = 20 の二項分布にしたがう。

この二項分布を、平均: μ = np = 20 (1/4) = 5、分散: σ2 = npq = 20 (1/4) (3/4) = 60 / 16 = 3.75 (標準偏差: σ = √3.75 1.94 の正規分布によって近似する。

[二項分布]

[正規分布]

[参考] 統計学Webページ「二項分布の確率計算」を用いて求めた正確な二項分布値。

二項分布 P{ x 8 } = 1 - P{ x 7 } = 1 - 0.89818814307728… 0.1018

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関連 Web 頁: http://econom01.cc.sophia.ac.jp/stat/ 「二項分布の観察-2」「二項分布の確率計算」「正規分布の確率計算」